インディアナポリス研究会

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戦評 '07シーズン

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 2008年  プレイオフ
展望
 プレイオフ展望。でもその前に、WEEK17最終戦TEN@INDの簡単な感想を。

 まず、とりあえず言えるのは、これでソージの将来的なブラウンズ入りは100%なくなったということだ。現時点でのクリーブランド入りも危ないかもしれない。
 プレシーズンなどの出来から見てそこそこやるかなあ〜と思っていたが、こんなものか。さすがに昨オフ長期小型契約を結んだだけの事はある。自分のことは自分が一番よく分かっているという事か。私はこの契約のニュースを知った時、おやっ、と思ったものである。というのも、ソージは他のチームに移れば、スタメンはともかく、スタメンのチャンスぐらいはあると思っていたからである。マニングの下に4年間いました、というのもそれなりにセールストークになると思っていたし、年齢的にも最後のチャンスになるだろうと。欲しがるチームもそれなりにあるだろうと。しかし4年の契約延長、マニングの話し相手として生きる道を選んだ。それも人生である。

 目についた選手は何といってもマイケル・コー。うちのDB陣には珍しくマンカバーに長けた選手と見た。所謂ミラーである。それだけにリリースされる可能性も高いが。
 一方で T・J・ラッシングはリターナーとしてもCBとしてもいまいちな感を受けた。もうすこし頑張って欲しい。

 ダレル・リードはハードヒット、ジョルダーノは例によってタックルミス。だんだん名物になりつつある。

 我が愛しのクレッコーもチラリと出ていた、気がする。

 ビロナスの54ヤードは決まるとは思わなかったが、さすがプロボウラー。あれで試合の趨勢は決したと思う。


 こんなとこかな、さてプレイオフ。
 コルツにとって、AFCの5チームをいやな順に並べると、こんな感じだと思う。
 PIT、SD、NE、TEN、JAX
 今プレイオフの主役NEを3番目にしたのは意地もあるが、やはり1番相性が悪いのはPITだと思う。相性が悪いというか、縁起が悪いというか、とにかく当たりたくないチーム(ペーサーズにとってのセルテックスみたいなもの。)この両者とは決勝まで当たらないのは非常にありがたい。次のSD、これは相性的には悪くはないと思うが、実力的にはプレイオフ出場全16チーム中NO1であろう。あとはそれを発揮できるかどうか。NEが最も警戒しているのも、ここだと思う。また後述するが、NEを力押しで倒せるのもここしかないと思う。コルツはおそらく緒戦で当たると思うが、蹴散らされる可能性おおいにあり。頑張れ、テネシー。JAXでもよい。
 改めて見ると、あんまり勝てそうな気がしないなあ。しかも上位3チーム、全部3−4だし。蹴散らされそうだなあ。
 んで、GO BLUE !!

 NFCについてはとりあえず省略。あんまり考えた事ないので。

 で、触れないわけにはいかない、ニューイングランド問題。
 とりあえず今期のNEを見てきて、はっきり言えるのはディフェンスはランパスともにそんなに良くはないということ、とりわけランは止まらない。そしてレシービングTEには苦しむということ。これは昨季と変わらない。というか、ブルースキーの後継者がいまだ見つからないということ。昨季はこれに加えて、WR陣がボールをポロポロ落とすという問題も抱えていたのだが、これは御覧の通り、モス、ウェルカー等の加入により劇的に改善された。改善どころか超ストロングポイントになった。現状のNFLでブレイディtoモス以上に確率の高いパスプレイはないだろう。コールすればほとんど成功である。100%とまでは言わないが90%近いのではないだろうか。あくまで印象だけど。
 手っ取り早く言えば、今期のNEとは昨期のNEにモスの得点力を加えたチームということになる。大きく変わったといえば、大きく変わったともいえるが、去年とさほど変わってないといえば変ってないといえなくもない。あくまで表面上の戦力的な面からのみだけど。逆に言えばモスさえ封じ込めれば去年と同じチームと言えなくもない。PHIが善戦したのはそれを可能にするマンカバー能力にすぐれたDB陣を要していたからだともいえる。

 こうした点を踏まえて、NEに勝てるチームとはどういうチームかと言うと、まず強力なランオフェンス、そして強力なレシービングTE、そして何よりモスを止め得る超強力なCBを要するチームというと、先にも書いたとおりサンディエゴしかない。
 トムリンソン、ターナーのラン、ゲイツのレシーブ、そして何より今現在ランディ・モスと互角に戦える唯一のCBアントニオ・クロマティ(2ヶ月前くらいに2,3年後とか書いていたがその2,3年後はびっくりするほど早く来た。)。このみっつを要するSDのみがNEと正面からぶつかれる唯一のチームであろう。

 でも、SDとNEが当たるということはコルツは敗退しているということなんだよなあ。う〜ん、痛し痒し。どうにかならんかな。

 なんかとりとめがなくなってしまったが、プレイオフ開幕をおよそ5時間後に控えて、あわてて書いた以上プレイオフ展望でした。どうにかならんかな〜。
                                                              2008/1/6
DIVISIONAL
PLAYOFF
1月13日
SD@IND
28−24
 はいっ、負けちゃいました、今季終了です、来シーズンまでコルツのフットボールはお預けです。

 なあんて平静を装っていますが、悔しいです。うまく気持ちがまとまらないので、断想風に書きます。って、いつも断想風だけど。

 今、悔しいと書いたけれど、おととしのPIT戦の時に比べると、全然悔しくないです。あの時は9割方勝てると踏んでいたので、なんで負けるかなあ、という気持ちが3ヶ月くらい続いた、というか今でも続いているのであるが、今回は、まあある程度負けは覚悟していたので、仕方がない、という気持ちも結構強い。サンディエゴの皆さん、頑張って下さい。なんで負けるかなあ。

 敗因はライン戦での敗北、ハリソンのファンブルロスト、M・ジャクソンのファイスマスク等、挙げればいくらでもあるだろうが、結局は力負けということであろう。という訳で、サンディエゴの皆さん、頑張って下さい。

 ひとつ予想外だったのが、C・チェンバースやV・ジャクソンにパスを捕られまくったという事、このクラスのパッシングオフェンスを防げないようならば、対NEというか対ランディ・モスはとうてい通用しない。負けといて良かったか。

 とまあ、ここまで書いて言うのもなんだが、実はまだ映像はNFL.COMのハイライトでしか見ていないので、この時点では、それとリアルタイムで追ったPlay-by-Playのみの感想です(来季はスカパー入っか、ついに)。TV放送を見たらまた感想は変るかもしれない。放送見ないかもしれないけど。

 しかしその少ない情報から判断してもマニングさんに根性がないのははっきりしていると思う。マニング寄りの私の目からしてもこれははっきりしている。この一点に関してはブレイディどころかイーライ(あの野郎、やりやがった)にも劣ると思う。最後の残り1:30ぐらいからのドライブはともかく、その前の4:50からのドライブはタッチダウンを獲らねばいけなかった。あれはモンタナは無論のこと、エルウェイやブレイディでも、あるいはマリーノでもTDで仕留めていたと思う。ユナイタスは勿論。最後の7ヤードなんか4連続QBドローとかしてみろっつうの。ガラードの真似しました、みたいなコメント残して。

 実際ここ最近のコルツは5年で3回ぐらいスーパーに出て、うち2回ぐらいはスーパー獲ってもおかしくない位の実力はあると思うがそれが出来ないのは、NEの存在もあるだろうけれど、その原因の多くははっきりマニングにあると思う。これは認めざるを得ない。勿論スーパー獲ってもおかしくない位の実力の原因の多くもはっきりマニングにあるのだけれど。この根性がないばっかりにはっきり実力が劣るブレイディと比較されたりする事になっちゃうんだよなあ。マニングとブレイディの比較については項を改めて書きます。

 とりあえず言えるのは、クレッコーを出していれば勝ってたということだ。件のゴール前7ヤードもクレッコーなら楽勝で捕ってただろう。その前のもキースみたいに弾かないっつうの。これが最大の敗因だ。


 というわけでサンディエゴの皆さん、おめでとうございます。前項で書いた通り、わたしはサンディエゴこそがニューイングランドに勝てる唯一のチームだと思っているので、打倒ニューイングランド頑張って下さい。昨年の一件もあるし、今シーズンの一件もあるので、テンションはかつてないほどに昂まっていると思います、死ぬ気でがんばってください。君たちなら出来る。全世界の注目が集まっています。いや、冗談抜きで。
 私はサンディエゴに乗った。

 また、過去2年の優勝チーム、つまりPITとINDには共通項があって、すなわち前年全体1位でレギュラーシーズンを通過し優勝候補筆頭に挙げられながらもあえなく敗退、しかしその翌年レギュラーシーズンでは苦しむものの何とかプレイオフに滑り込み、低い下馬評を覆し、あれよあれよという間にスーパー制覇という共通項である。今年これに当てはまるのは間違いなくSDであろう。
 私はサンディエゴに乗った。すると来年はNEか、ぬう。

 唯一の懸念材料は永遠の童顔キーディングぐらいか。

 しかし今回 Play-by-Playをみて改めて思ったが、先のアロマショドゥ-の項(こちら)でも書いたとおり、SDには魅力的な名前がズラリと並ぶな。垂涎措く能わずという奴だ。LSのビン(しかしビンって)とかナーンとか。ナーンには痛いとこらでやられたし。ナーンにならやられても仕方ないだろう。ナーンだし。TV放送がちと楽しみ。アロマショドゥ-の項でも触れたスプロールズにもやられたし。そういえば来季のSD入りが内定しているアロマショドゥ-も出場してた。お披露目か。このままいっそオデンも取ったらどうだ。ゲイツとトレードで。

 そして最後にもうひとつ、絶対忘れてはならない事を付け加えておかなければならない。それは最後のサイファーズのパント、あれでうちは完全に殺された。まさか敵陣20ヤード近くまで蹴り込むとは。あれでうちは完全に殺された。わたしは50ヤード前後から始められると思っていたけど、まさか32ヤードとは。まさにあんぐりである。これは私だけでなくコルツのプレイヤーも同様だったと思う。あれで完全に気持ちを殺された。残り1:30も残して終わってしまった。
 たしかその前のTEN戦でもサイファーズは敵の気持ちを殺すようなパントを決めていたと思う。ああいうのを見るとサイファーズ級のプレイヤーだったらドラフト1位でパンターを取りに行っても決してそれは愚行ではないと思う。それぐらいの価値のある敵の気持ちを殺す見事なパントだった。あれでうちは完全に死んだ。ピンチを未然に防いだのである。
 考えてみれば、パントというのは敵にボールを渡すとはいえほとんどオートマチックに40ヤードほど陣地を回復できるのだから、今までが不当に軽く見られていたのかもしれない。今オフはここ2年のガードバブルに続いて、パンターバブルが来るか。そう思わせるだけの素晴らしいパントだった。やっぱ来ないか。

 最後のRCAドーム、勝ちたかったなあ。


 というわけでサンディエゴ戦の感想、これで終わりなんだけど、それとは全然関係ない個人的問題を書き加えておきます。敗北の記念に。

 ワイルドカードのJAX@PITの録画、DVDにダビングする前に消しちゃった。くう〜〜〜う。これであのガラード一世一代のレフトウィッチを押しのけただけの事はある第4クオーター残り1分56秒4th and gamble からの奇跡のQBドロー(大袈裟、長い)は永遠に見られない。くう〜〜〜〜う。

 教訓 寝起きに削除はしてはならない。

 しかし、マーフィーの法則(古っ。)ではないけど、面白い試合に限って、こういうことが起こるんだよなあ。今季のワイルドカード4試合中で最も面白かったのはおそらくこのカードだったし、今季のGBのファーブがOTで一発タッチダウンで勝った試合、これは録画失敗した。そしてここ数年で最も面白い試合であったろう昨季のSD@CIN、これも録画失敗した。う〜〜む。
 そのうちNFLは試合のDVD販売なり配信なりを始めるだろうけど、それにしても、う〜〜〜ん。
                                                              2008/1/14
 
 遅ればせながら試合の映像、見ました。

 う〜〜ん、なんだかなあ。上には力負けだったと書いたけれども、映像を見ると、そういう印象は無かったっす。十分、勝ててた試合だったと思う。

 まずはディフェンスから。
 カバー2を採用しているチームが両エンドからのパスラッシュがかからないとこうなるという見本のような試合。フリーニー欠場はともかく、マシスまで不調となるとさすがに辛い。シメオン・ライス、残しておけば良かったのにと思ったりもした。今年のドラフト、1位指名権があればDEを指名したいところだ。
 それにしても、M・ジャクソンとT・ジェニングス、もうすこし何とかならんかなあ。特にT・ジェニングス、今シーズン通してみてきたけど、どうもいいところが見られない。マンカバーがうまいという評価だった筈だけれど、どうもいまひとつというか、いまふたつである。たまたま私が見ているときだけ悪いだけなのか。このT・ジェニングスにT・J・ラッシングを加えて、どうもCLASS OF 2006のCB陣に私は不信である。ヒューズやコーを使った方がよいと思う。またダンジー得意の年功序列か。ハグラーの活躍を見てても、つくづくそう思う。

 一方でオフェンス陣は、まあ責められないと思う。レッドゾーンでのみっつのターンオーバーがまあ痛いといえば痛かったが、そのうちふたつは事故といえば事故だし。捕れなかったのが悪いといえば、それまでだけど、ああまでうまい具合に弾いたところ、空振りしたところに敵がいるとは。不運だったとしか言いようが無い。特にウェデルのは。あそこまでうまい具合にボールが弾かれるとは。もっとも、キースではなくクレッコーなら確実にキャッチしてタッチダウンに結び付けていたけれども。これが大きな敗因。

 とはいうものの、最後のレッドゾーンオフェンス、タッチダウン獲れなかったかなあ。イーライのを見ているだけに余計にそう思う。これだけが唯一無二のマニングの欠点なんだよなあ。再三再四書いているけれども。またそのうち書きます。その直前の2ndダウン3rdダウンででロングボム失敗、その直後の4thダウン5でダブルチームでマークされているD・クラークにヒット、ファーストダウン更新なんてプレイを見ると凄みすら感ずるのに。肝心のタッチダウンが獲れないんだもんなあ。まあ、レッドゾーン専用レシーバーがいないというのもその一因なんだろうけれども。どうして獲らないのか。ポリアンの意向か、マニングの意向か、それともマニングのエゴか。もしかして、まだムーアヘッドに期待しているのか。あの落球王に。空振王に。ライン踏みつけ王に。

 で、サイファーズ。見ました、最後の悪魔のパント。あんなパント、蹴られるの分かっていたら、最初からFG狙ってるっつの。キックオフと全然かわらないんだもの。エンドゾーンからのパントだよ。夢も希望もありゃしない。あれでうちは完全に死んだ。

 どうもSD戦はこういうなんというかちぐはぐな試合が多い。SD自体に試合を通してムラがあるためか、どうもそれにお付き合いしてしまって、チームに例えば去年のNE戦のような一体感が出ない。不思議なチームだ。

 軽く個々の選手について触れます。

 第4クオーターでハリソンが外されていたけど、あれは首脳陣の意向なのだろうか。本調子ではないということか。おとなしい人だけに文句は言わないだろうけど。使っていれば、ウェインへのマークがいくらかは緩んだと思うが、どうだろう。

 M・ターナー。もう少しやると思っていたんだけどあんなものか。それとも今オフに控えている長期大型契約の為に安全第一でいったか。まっ、それも人生か。エースでもないのにがんばってられっか。

 永遠の童顔キーディング。ポストシーズンの成績がスーパーインポーズされていたが悲惨の一言に尽きる。あげく外し、あげくB・サンダースに慰められている(もちトーンディング)始末。

 P・リバース君。勝利確定後、コルツファンと言い争い。2年間ベンチにおとなしく座っていたので控えめな人かと思っていたら、まさかのキレキャラ。その意外性や、よし。

 しかし勝ててた試合だったなあ。次のNE戦、トムリンソンが不甲斐無かっただけに。そういえば、この試合もビビッて退いていた。どういうつもりなんだろう。
                                                    2008/2/10 あっプロボウルだ。
 
 SUPERBOWL
展望
 昨年ほどの興奮はないけれども、縁起物なのでちょいと展望をば。

 NEについてはあちこちで書き散らかしているので、NYG側から書きます。

 とりあえず言えるのは、チキ・バーバーの面目がまるつぶれだということだ。いないほうが良かったのか。どういう気持ちで彼はこの試合を見るのだろう。
 去年のエッヂさんもそうだが、RBというのは意外に替えのききやすいポジションということになるのだろう。べティスの例もあるので一概には言えないが。私のRB観についてはいづれ書きます。世間一般とはだいぶ違うと思うので。

 NYGの何が良かったのかというと、正直よく分からん。というより試合をほとんど見ていない。例のWEEK17すら見ていないのだ。仕事が忙しいんだよ。法定労働時間を5時間に短縮せいちゅうの。それでなくても供給過多なのだから。

 と、軽く共産チックな事を書いてしまいました。閑話休題。とりあえず風の便りに聞くのはイーライが良くなったということだ。
 実際、わたしが数少ないハイライト映像を見た限りにおいても、イーライはほんの少し良くなっている。ほんの少しペイトンに近づいている。具体的に云うと、兄さん得意の猫足立ちの構えが出来るようになっている。猫足立ちの構えとは私が勝手に命名したもので、ペイトン得意のポケット内でチョンチョンと爪先立ちでステップを踏む例のアレです。
 これが出来るようになった事で、当然フットワークは良くなり、結果パスラッシュもかわし易くなり、イーライの課題だったスローイングも安定するようになった。あらゆる運動の基本はフットワークにあるという事のひとつの証明である。運動は足元から。兄貴から学んだのか、盗んだのか、それは分からぬが、イーライの、そしてジャイアンツの大切な武器になったと思う。もっとも兄貴のように完全にマスターしているわけではないようなので、時に出来たり、時に出来なかったり、しているようであるが。
 ちなみに、この技術、私の見る限り、現在のNFLではこのイーライを除いてはペイトンさんしか使ってないようである。他のQBは皆、ベタ足でドドっとバックステップを踏むのみである。これをマスターすれば大変な武器になると思うのだが、格好悪いからか、難しいからか、誰もマスターしようとしない。マニング家伝来の秘術なのか。

 そんなイーライ君の成長はあるものの、オフェンス、ディフェンス、コーチング、すべての面に於いて、NEの方が一枚も二枚も役者が上手だと思う。クロマーティもいないし。唯一上回っているところがあるとすれば、ストレイハン、ユメンヨラ、にキワヌカも加えた両エンドであろうが、ここぞという時はNEのOL陣は巧みにパスプロするしなあ。事件が二回ぐらい起きない限りNYGは厳しいだろう。また、そういう事件を起こさせるようなチームでもないし。NE憎しの私といえども今回ばかりはNEに張ります、ごめんなさい。

 しかしSDが勝ち上がっていれば、最高に盛り上がる因縁の対決になったのであるが、去年のNOといい、プロレスと違ってなかなか難しいのお、スポーツは。

 ちなみにペイトンさんはチケットブローカーになっているそうです。もはやこの人、完全にいじられキャラだな。アメリカン・リアル・アイドルか。

 しかしこれで、万が一にもイーライ君が大活躍してスーパーでも獲ろうものなら、ペイトンさんは完全に立場失うな。それはそれで見てみたいという気もするが。

                               2008/1/27 スーパーボウルを一週間後に控えて、ぬるい気持ちで。


 あのハゲ、やりよった。禿げてないけど。

 スーパーボウル、生中継見ました。いろいろな偶然が重なって、うまい具合に仕事が休みになったので。わざわざ休暇を取ったわけではありません。念のため。決着からおよそ4時間後。本当は寝なきゃいけないのだけれど、軽い興奮状態で書きま〜す。でも寝過ごしちゃって、第一クオーターと第二クオーターの半分は見ていませ〜ん。

 この試合に関しては最後の第4クオーター残り2:42からのNYG、というかイーライのドライブについて触れないわけにはいかない。というより、これがこの試合のすべてだった。MVPを獲ったのが試合を通して活躍していたストレイハンではなく、このドライブを決めたイーライだったのも無理は無い話である。

 実際、何のかんの言っても、このドライブまではベリチックの思惑どうりに試合は展開していたように思う。両エンド(キワヌカはIR入りしていたのね、ごめんなさい。)にある程度やられるのも織り込み済みだったろうし、それをここぞというドライブ、すなわちその直前のNEボール7:54からのTDを獲ったドライブで完封する事も狙いどうりだったと思う。そのベリチックのゲームプランをイーライ君が完璧に木っ端微塵にぶち壊したのである。大げさでなく歴史的偉業だと思う。実際、歴史的偉業なんだけど。

 ああいうシチュエーションでドライブを許さないのが、ニューイングランドの、ひいてはベリチックの真骨頂であり、それ故のペイトリオッツ王朝だったのであるが、それが今回初めて、よりによってイーライによって崩された。それはマニングやマグナブ、デローム、ロスリスバーガーといった猛者達をことごとく斥けてきたものである。結構、衝撃的なシーンだったと思う。少なくとも、私にとっては衝撃的なシーンだった。

 あのドライブが始まる時点でイーライのTDを予想したものは、世界広しといえども、マニングママぐらいしかいなかったであろう。ペイトンですら、「さすがに厳しいかな」と思っていた筈だ。
 では、そのドライブを成立させたものは何かといえば、それは私が常々言っているイーライが唯一ペイトンに優れる点、根性だったと思う。あのタイリーへの奇跡のパスもペイトンだったら腕をかけられた時点で投げ捨てるか、そのまま安全にサックされていたことであろう。しかし、イーライはその腕を無理矢理振りほどき、無茶投げ、結果成功である。ぴったりマンマークされている人間へのハイボールなど10回に1回成功するかしないかぐらいのプレイである。しかもその失敗の9回のうち2回ぐらいはINTで終わりである。それがこの大一番、おそらく彼の人生でもっとも大事な試合のもっとも大事な場面で決まってしまうのである。カイジではないがギャンブルは恐ろしい。
 さらにこのドライブ、イーライは2回ほどスクランブルをしている。それもスライディング無しの、下手すりゃファンブルロストの危険なスクランブルである。しかしながら、結果的にはこれらのスクランブルが生きた。最後のバレスへのTD、バレスのマークが外れたのは、無論バレスの個人技にも因るが、ひとつには相手CBの頭に「スクランブルもあるかも」という思いが無意識レベルであったからであろう。それがあの中途半端な守り方になって現れた。

 こういったプレイはそのプレイ自体は決して誉められるべきものではないだろう。ひとつ間違えば敗因として責められるポイントになった筈だ。今回は偶々良い目が出たともいえる。私は戦前、ふたつぐらい事件が必要だと書いたが、そのひとつはタイリーへのパスになり、結果的に勝利を引き寄せた。

 基本的に勝負事は理に則って遂行していかねばならない。しかしながら、ここぞという場面、土壇場、勝負を決める場面においては、無理なプレイ、無茶なプレイ、出鱈目なプレイは絶対に必要である、私はそういったシーンを数限りなく見てきた。そして、そういうプレイを引き出すもの、それこそがイーライにあってペイトンにないもの、根性なのである。プレイオフのSD戦、似たようなシーンでタッチダウンを取れなかったペイトンとは対照的である。数々のNE戦での似たようなシーンなどは言わずもがなである。イーライはその根性で一発で決めてしまったのだ。

 一方、NEサイドから言えば、なんだかんだいってもマッギネストがいなかったのは、ここに来て痛かったと思う。こういうシーン、ことごとくサックを決めて相手の息の根を止めてきたのは、ハリソンでもセイモアでもブルースキーでもなく、ほかならぬマッギネストであったからだ。A・トーマスにはマッギネストには無いスマートなプレイはあるものの、彼のような考え無しの、敵の気持ちを根こそぎ削ぐ、獣の様なサックはない。このシーン、マッギネストがいれば、どこかのタイミングでコルツファンが何度も煮え湯を飲まされたあの考え無しのサックを決めていたかもしれない。

 しかしまあ、これでイーライはジーターをぶち抜いてニューヨーク最高のスポーツヒーローになっちまったなあ。それどころかアメリカンヒーローかも。ちょっと前までBUSTとか言われていたのに。人生何が起こるかわからんな、ほんとに。

 つうわけで、ペイトンさんの立場は、少々というか、大分怪しくなってきました。ニューヨークとインディアナという都市の規模を考えると、もはやマニングといえばイーライの方かも。最後のTDのシーン、ペイトンが複雑な表情を浮かべていたように見えたのは私だけであろうか。

 50年後、「あのドライブ決めたの、マニングはマニングでも弟のマニングの方だよ。」「えっ、マニングに弟なんていたの」なんて会話がなされるのか、それとも「あのマニングに兄貴がいたって知ってる。前年の優勝は兄貴の方だよ。」「えっ、移籍したんじゃないの」といった会話がなされるのか。私には今から興味津々である。

                                            2008/2/4 スーパーボウル開催のその日に。
 

 ちょいと書き忘れた事があったので補足。
 
 イーライのリング獲得により、2004年のドラフト時に騒がれた3人のQBのうち2人が早くもスーパー制覇、残りの一人も紆余曲折があったものの今や立派なフランチャイズQB、こういうことは結構珍しいことではないかと思う。しかも、その3人が3人ともものすごく素晴らしいQBというわけではないところも面白い。強運の年なのか。

 で、そのイーライのミラクルパスであるが、改めて見てみると、イーライに手をかけていたのはA・トーマスだったようだ。すなわち、今までと同じゲームプランだったのである。マッギネストだったら腕一本でもイーライを殺していただろう。それ以前に一撃でサックしていた筈だ。これは散々マッギネストに苦しめられ続けてきた一コルツファンの単なる恨み節にすぎないのであろうか。ああ、マッギネスト。また、お前か。

 しかし、よもやイーライにやられるとはのお。シーズン前にこんな展開を予想した人がいただろうか。ペイトンやファーブ、パーマーなどにやられるというのなら、ある程度予想できたかもしれない。よもやイーライとは。あんぐりとはまさにこの事であろう。
 ベリチックに聞けるものなら聞いてみたい。あの最終ドライブ直前、イーライのタッチダウンを予想したかと。本当のことは絶対言わないだろうけど、あの時点で勝ったと思っていたんじゃないかなあ。さすがに終わったと思ったもんな、わたしも。

 ストレイハンはいつ見ても男の中の男よのお。好漢という言葉がぴったりそのままあてはまる。

 あと最後のニーダウンのプレイでドローンズを発見。よもやブラッドショーにまで抜かれるとは。でもリング獲得。

                                                   一夜明けて 2008/2/5


 まったくもってどうでもよいことであるが補足というか蛇足。

 スーパーボウル終了後にBSで放送されたABCニュースがHDDに録画されていたので、ちょいと見てみたら、スーパーボウル直前レポートがなされていた。
 そのひとコマ。太ったおばさん二人が揃って I HATE PEYTON MANNING のTシャツを着ていた。今日は関係ねえだろ。でも、ちょいと欲しいと思った。しかも白地にピンクの文字。アンチマニング楽しそう。俺もそっちに回るか。以上、どうでもいい話でした。

                                                            2008/2/12

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