インディアナポリス研究会

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2012年
7月
アメリカズゲーム#41
感想
 サタディの瞳は水色過ぎる、無駄に。

 例年、シーズン開幕一発目の記事は、シーズン展望やらコルツ希望的観測やらでお茶を濁すのであるが、過日、「アメリカズゲーム第41回 コルツ篇」が放送されたので、その感想を、縁起をかついでという訳でもないが、今季第一発目の記事としたい。

 感想といっても、そんなに目新しいものは無いのであるが、改めて思うのは、「マニングは、やっぱり、チームリーダーや勝負師には向いていないなあ。」という事である。マニングつうのは、本質的に、批評家、皮肉屋、カイ・シデンであって、勝負師、チームリーダー、アムロ・レイではないつう事である。殿馬数人であって、山田太郎でも岩鬼正美でもないつう事である。

 マニングというのは、巷間知られたように、三人兄弟の真ん中であるが、それはやっぱり、典型的な中間子であって、長男的なリーダーシップや末っ子的な勝負師的気質を持ち合わせていない。良くも悪くも、自分の仕事を淡々とこなすタイプである。

 番組の中で、懐かしのバンダージャットのマニング批判のインタビューが引用されていたが、そのインタビューの良し悪しはともかくとして、その批判の内容は、全くその通りだと思う。同様な感想は、当時のチームメイトの誰もが多かれ少なかれ抱いていたのではないだろうか。
 その、ある意味、禁断の批判を断行したバンダージャットの退団直後、チームが優勝するというのは、何とも皮肉な話、いかにもマニング的事象ではあるけれども。

 実際、マニングの性格というのは、QBよりキッカー向きなのだと思う。で、バンダージャットはQB向きなのである。バンダージャットとマニングの性格が入れ替わっていたら、コルツはもっと早くに優勝していたかもしれない。人の世は、まこと難しい。

 謂わば、本質的に脇役タイプの性格であるマニングが、QBという、どう足掻いても主役にならざる得ないポジションに就いているという点が、彼のキャリアを通しての、もう晩年に入っているが、根っこにこびりつく難題なのであろう。

 しかも、そういう脇役的な性格の性格のQBが、ノーハドル&オーディブルという、特別にリーダーシップを要求されるようなスキームを採用しているのだから、尚更である。

 この番組の中で、例のパッツ戦終盤、マニングが親指を怪我して、パスに不安があるから自ら交代を申し出ようとし、それをサタディが全否定したという告白があるが、そんなのはサタディでなくとも、全否定するわ。こんな場面では、「指が折れていても、正確にパスできる。」と断言するのが、QBのチーム、つうかNFL、つうかフットボールに対する責任というものであろう。もし、マニングがあの場面、冗談、あるいはTV番組的な演出ではなく、本当にそういうことを考えていたのだとしたら、マイケル・ジョーダンじゃなくとも頭抱えるわ。

 もし、この場面で、マニングがソージに交代していたら、ゲームの勝敗がどっちに転がろうとも、私はマニングとダンジーの更迭を要求していただろう。もっとも、私にそれを要求する権力は無いけれども。
 かつて、トムリンソンが同じようなシーンで、その時はゲームを欠場して、私はそれをクソミソに叩いた事があったけれども、今でもその批判は間違えていないと思っているし、また、その時予想した「トムリンソンに栄光は無い。」は事実その通りになった。

 また、そのゲームの最終盤、残り1分でリードした段階で、マニングは生まれて初めて神に祈ったみたいな事を告白しているが、神に祈っている場合かっつーの。この場面で、QBがまずやるべき事は「すまん、1分間残してしまった。あとはお前らに任せた。」的な、ルフィ的な事を言って、チーム、つうかディフェンス陣を鼓舞する事だろう。まあ、してから神に祈ったのかもしれんけど。
 確か、この場面、当時でも、「大事な場面でうつむいている。」的な感じで批判されていたように記憶しているが、真相はともかく、この場面で神頼みでは、チームメイト、少なくともディフェンス陣は良い気分はしないだろう。「俺達よりも、神様信用してんのかよ。」てな感じであろう。ティーボーだったら、ここぞとばかりにチームを鼓舞し、そうして勝ってから、神に感謝した筈である。神様っていうのは、そういうものだ。

 また、この番組中で、マニングは自分はマリーノファンだったと告白しているが、まあこれもTV番組的な演出も多分にあるのかもしれないが、当時のQB少年の憧れだったであろう、モンタナ、エルウェイ、マリーノのうち、マニングがマリーノを選んだというのは多分に頷ける。
 私は、かつて、「マリーノは、プロトタイプ・マニングだ。」みたいなことを書いたが、上記の三者のうち、マニングは明らかにマリーノの系譜を継ぐものだと思う。

 マリーノの最も素晴らしい点は、当時としては革命的といってもよい程の、ブリッツまで含めたパスラッシュへの対応であり、そのハイライトが史上最強とも謳われたダ・ベアーズ戦の勝利であろうが、マニングはその美点を非常によく受け継いでおり、神業といってよいレベルまで精錬したと思う。
 この番組でもちらりと、久々に、実に久々に、昨年の1月9日以来だから、実に1年以上ぶりに(泣けてくる。)マニングのステップワークを堪能したが、久方振りに見たつうのもあるだろうが、それをさっ引いても、実に素晴らしい。美しい。

 こういう素晴らしい技術がありながら、それを活かす精神が無いという意味では、以前にも何処かで書いたけれども、江川卓に良く似ている。実によく似ている。すると、さしずめ、ブレイディは西本聖か。う〜ん、なんか絶妙な対比だなあ。んで、ブレイディはモンタナに憧れていたんだろうなあ。あの狂信的ともいえる勝利への飢え、渇望がマニングにあれば、3回ぐらいスーパーを制していたんだろうなあ。技術的には申し分ないだけに、実に惜しい。つうか、惜しかった。

 そのほか、目を引いた所と云えば、ブライアン・フレッチャーのお茶目な性格か。これは初耳だった。なんか、色々とマニングに進言していたらしい。
 件のペイトリオッツ戦でも、ドロップした後、謝るでもなく、「おいおい、今のプレイ、コーナーだったら決まっていたよ。」と、マニングに注文を付けていたらしい。で、結果そのプレイが決まり、逆転タッチダウンが完遂する訳である。

 コルツの歴代ナンバー2TEの中では、80年代プロ野球評論用語を用いれば、その意外性のあるレシーブで、私は最も気に入っていた選手なのであるが、そんなお茶目な性格だったとは。意外と言うよりは、矢張と言う感じである。今、何やっとんだろ。調べる気は無いけど。

 そのほかは、特に目を引く所は無かったのであるが、ボブ・サンダースか。ほんと、典型的な「怪我さえなければ」選手だったなあ。「怪我さえなければ」、ほんとエド・リード級のセイフティだったと思う。いや、贔屓の引き倒しではなく、00年代ではリードかサンダースかつうぐらいのセイフティだったろう。惜しい事をした。まあ、優勝したからいいけど。

 サンダースといえば、2006シーズンのプレイオフでコルツ・ディフェンスが良くなった大きな要因が、このサンダースの復帰であると番組では紹介され、事実その通りであるけれど、もうひとつの要因として、マーリン・ジャクソンとヘイデンの起用機会が増えた事も挙げられると思う。

 当時の正CBだったジェイソン・デイビットとニック・ハーパーのどっちか、もしくは両者(このへんはうろ覚え)が怪我して、自動繰り上がり的にジャクソンとヘイデンの出場機会が増えた訳なのであるが、そもそも最初から、ジャクソン&ヘイデン・コンビを先発で使えっつうの。
 この辺はダンジー特有の年功序列的選手起用つう事になる訳なのであるが、カバー2というスキームを普通に考えれば、より大型でタックル力のあるジャクソン&ヘイデン・コンビが先発で当然だっちゅうの(西本はるかAV記念。ゲス過ぎ。)。まあ、「彼等は戦術理解が浅い。」的な言い訳をするのだろうけれど。
 翌シーズン、ディビット&ハーパーがFAで抜け、ジャクソン&ヘイデン・コンビが先発に繰り上がり、コルツ・カバー2は、謂わば無意識的に完成するのであるが、そんなのは意識的にやれつうの。

 ジャクソン&ヘイデン・コンビとサンダースが件のプレイオフ、スーパーボウルでは、それぞれ印象的なインターセプトを決めたというのは、何やらの象徴と言ってよいだろう。

 番組の冒頭と最後にインディアナ州とバスケットボールとコルツの関係について、いかにもドキュメンタリー番組っぽく触れていたが、コルツ優勝でインディアナはコルツの州になったかなあ。微妙な感じではある。当のマニングも、あっさり移籍しとるし。あとはラック様の双肩にかかっているといったところか。まあ、インディアナはバスケットボールの州でいいと思うけどね。

 最後に、もうひとつ。サタディとマニングの喧嘩にタリク・グレンが割って入っていたが、そうそうタリク・グレンはあういう奴だった。タリク・グレン、いいー人だ。

                                                   2012/7/29(日)
2012年
8月
シーズン展望  金本の被ランニング・ホームランが一部ファンのの間で話題になっているが、この金本に限らず、最近の日本のプロ野球界は引退時期を見失っている選手が多すぎる。
 一昔前は、「去り際の美学」とか何とか言って、実績あるベテランは自ら引退を表明したものであるが、最近の選手は、落合の影響だろうが、自ら引退を切り出さぬ。一方で、球団側も、実績あるベテランを解雇する習慣を持たないから、完全に力を失っているベテラン選手を、いつまでもダラダラと契約し続ける。んで、そういう選手がたまに活躍すると、「ベテランの味」とかいって、マスコミは持ち上げる。全体的には全然ダメであるにもかかわらず、である。最近は、そういう選手が各チーム一人ぐらいづつ必ずいる。

 まあ、日本のプロ野球は、ベテランプレイヤーに限らず、選手を首にしなさ過ぎる。高卒だろうが大卒だろうが、5年やって、一軍で何のポジションも獲てない選手はパッパと首にすべきだと思う。本人の為とかいう以前の問題だ。5年やってレギュラーを獲れない選手なんていうのは、10年やってもレギュラー獲れんよ。つうか、レギュラー選手なんていうのは、3年以内で大体レギュラー獲っちゃうつの。入団時の期待度とは何の関係もなく。

 さて、そんなどーでもよい話はともかく(どーでもよくは無いが、)、今季のコルツおよびNFLの展望である。

 今シーズンの各プレビュー誌やメディアの順位予想を見ると、今季のコルツは2〜4勝で最下位ぐらいつうのがほとんどである。まあ、この手の順位予想というのは、NFLに限らず、どんなものでも前年度に準拠したものが多い。全32チームの戦力分析をきっちりやって、対戦カードを細かくシュミレートするなんていうのは、事実上不可能であろうか、当然そうなるだろう。
 んで、昨季コルツは2勝だったので、今季も2〜4勝くらいつう事なのであろう。マニングも移籍しちゃったし。

 でも、一コルツファンの感想、というか希望的観測からすると、さすがに2〜4勝ってことはないんじゃねーのとも言いたくなる。
 その論拠はというと、今季のコルツのスケジュールをつらつら眺めてみると、勝てそうなチームと勝てそうも無いチームがちょうど半々づつになっているからである。どこが勝てそうで、どこが勝てそうも無いとは、敢えて言わぬが、勝てそうなチームにきっちり勝っていけば、8勝前後は出来ると思う。

 じゃあ、どうすれば勝てるかと云えば、ルーキーやFAの新加入組が、前評判以上とまではいわぬものの、前評判どおり働いてくれれば、8勝前後は決して夢では無いと思う。少なくとも、昨季のようなオフェンスが全く進まず、ジリ貧で敗北というパターンだけは避けられると思う。また、それさえ避ければ、2〜4勝という事は無いだろう。展開次第で6〜8勝は可能である。

 とはいえ、あくまで「前評判どおり」という条件付きなので、「前評判以下」に終わった場合は、2〜4勝も当然ありえる。
 特に、オフェンスは、よく見たら、ほとんど選手総入れ替えなので、如何なる結果もありえる。つうか予想しにくいのは確かである。昨シーズンから残っているのは、よく見たら、控えクラスまで数えても、ウェイン、コーリー、ブラウン、カストンゾ、カーター、ライツ、リンケンバックの7名しかいない。しかも、コーリーは例の脳震盪禍があるから、実質6名みたいなもんである。カレッジか。いや、カレッジでも半分くらいは残っとるつうの。

 つう訳で、非常に予想はしづらいのであるが、ラック、フリーナー、ジャスティス、サテーラといったところが、額面どおり働いてくれれば、それなりには戦えると思う。幸い、プレシーズンでは上々の出来のようであるし。

 一方、ディフェンスはというと、こちらはオフェンスと違って、メンツがそんなに大きく変わったわけではないが、その代わりといっては何だが、スキームがメチャ変わっとる。それこそ、極左から極右ぐらいまで変わっとる。昨日まで工場勤務させていた連中に、明日から営業やらせるぐらい、変わっとる。

 メンツをほとんど変えないまま、カバー2から3−4ハイブリットへの移行というのが、どれくらい可能なのか、私には皆目見当がつかないのであるが、とにかくやるしかない。ちなみに、私は「3−4ハイブリット」という表記を多用しているが、これは単なる個人的嗜好なので、他意はないです。一般的、というか普通は、ハイブリッドは形容詞であろうから、「ハイブリッド3−4」と表記すべきであろう、つか、しなければならないだろうが、私は個人的に「ハイブリッド」は後ろに付けたい性分(どんな性分だ。)なので、しばらく続けます。穿鑿しないよーに。

 んで、その問題の「3−4ハイブリット」であるが、マシスは大学時代はLBだったから何とかなるだろうが、(つっても、ほとんど10年振りだけど、)、フリーニーに至っては、あの人確か、エンド一筋の人生だったから、今更30過ぎて、やる事は大きく変わらないとはいえ、OLBなんて出来んのか。パスカバー出来んのか。しかも、今オフFAだよ。どう考えても、今更新しいポジションを真面目に習得するとは思えん。適当にやって、「OLBも出来ますよ」的な箔をつけて、来季はニューヨーク近辺のチームでエンドをやっている様な気がしてならぬ。とか云って、インターセプト・リターン・タッチダウン2つぐらい決めていたら、大笑いだけど。

 つう訳で、今季のコルツの特徴を一口で言ってしまえば、「未知数」である。オフェンスはメンツ総入れ替えで未知数、ディフェンスはスキーム入れ替えで未知数という事になろう。

 とはいうものの、マニング時代のコルツが、良くも悪くも、予想し易かったのに比すると、これはこれで新鮮ではある。また、仮に未知数の悪い方の目が出たとしても、それはそれで致し方ない。私は、以前何処かで、「今シーズンのコルツは解体期だ。」みたいな事を書いたが、解体は、昨オフシーズンに無理矢理終わらせた感もあるので、今シーズンのコルツは解体期というよりは、むしろ試行期というべきだろう。「未知数」とはいっても、ナックルボールのように、投げて見なければ分からないという意味での「未知数」ではなく、キャンプで覚えたシュートみたいに、実践でどの程度使えるのか分からないという意味での「未知数」である。

 何が出来るのか、何が出来ないのか、または、何を持っているのか、何を持っていないのか、それをはっきりさせるのが、今シーズンのテーマだと思う。それをはっきりさせれば、今季2勝で終わっても、私は文句は言わぬ。いやむしろ、長い目で見れば、今季も大きく負け越して、来ドラフトで上位指名権を獲り、大物プレイメーカーを獲得する方が得策と云えるであろう。勝てば勝ったで、それも良いけどね。プレシーズンを見る限り、勝ちそうな感じもするし。

 で、NFL全体の予想というか注目ポイントというと、まずはブラウンズのウィーデンかな。28歳って。というか、23歳で大学入って、レッドシャツから始めるって、人生設計としておかしくない。まあ、単にカレッジフットボールがしたかっただけなのかもしれないけど。これを、「夢を諦めない」とみるか、単に「ノー天気」と見るかは意見の分かれる所だと思う。私は後者だと思うが。

 まあ、年齢という、スカウティングレポートの中では、絶対に見誤る事の無いほとんど唯一のもの(稀に見誤る場合もあるけど、)も考慮に入れて、ブラウンズは1巡22位で指名したのだから、それなりに勝算はあるのだろう。ちなみに、年齢的には1983年生まれという事で、アーロン・ロジャースと同い年だったりする。ロジャースをサイドラインで7年寝かしたと思えば、安いもんか。意味不明な比較。
 でも、ブラウンズって、こういう、謂わば条件付き上位指名のQBって多いな。チャーリー・フライ、ブレディ・クイン、コルト・マッコイ、皆「何々だけれども」「何々がなければ」QBである。

 ちなみに、ウェーデンの大学時代のプレイを私は何試合か見たことあるが、悪くもなく良くもなくという印象だったかなあ。目立っていたのは、なんつったって、ブラックモンの方だしね。

 そのほかつうと、やはりマニングさんか。プレシーズンを見る限りでは結構苦労している感じだし。レシーバー陣のホットルートがやはり問題になっているようである。マニングがコルツに貢いでいたのか、コルツがマニングに貢いでいたのか。デンバーでのマニングをじっくり観察して、そのへんのプラスマイナスを清算したい。

 まあでも、普通にやれば、4000ヤード投げて、30TDs挙げて、チームを10勝以上には導けるQBであろうから、問題は怪我だけという事になるだろう。
 と思って、デンバーの開幕戦をチェックしたら、まさかのピッツバーグ戦。こりゃあるな。ファーストプレイでポラマルにハードヒット喰らってチーン、今季終了みたいな、いかにもマニング的結末。ちなみに、このゲームはG+で日本でも生放送。日本在住コルツファンは忙しい一日になりそうだ。

 そのほかは、MADDENカバージンクスか。昨季の惨状から類推すると、今季も同名さんがやられると見た。マニングの怪我&移籍も大概だけど、ショーン・ペイトンの大ケガ&1年間サスペンションなんて、ありえねーだろ。恐すぎるわ。

 つう訳で、カルビン・ジョンソンの何らかの不幸は確定的として、カルビン・ペイスも酷い目に遭うと見た。単純に怪我も大いに有り得るが、意表をついて「自宅、放火」と見た。んで、対抗は、「オチョシンコ、0レシーブに終わる」、大穴は、「マジック・ジョンソン、離婚慰謝料4000億円請求される」と見た。カルビン・ペイス、アーロン・メイビンにスターターを奪われるなんていうのもありそうだ。

 とか、思っていたら、早速オチョシンコ、逮捕&解雇されとるし。名前をオチョシンコに戻すか。

                                                   2012/8/27(月)

 とか何とか書いていたら、マイアミからボンタ・デービスをトレードで獲得。

 私はかつて、レイシーとケビン・トーマスはキャラが被っているので、どっちかを残して、どっちかを放出するだろうと書いた事があるが、そのレイシーを引き止めず、トーマスを残すのかなあと思っていたら、そのトーマスもトレードでまさかの放出、グリグソン、あるいはパガーノは、この手のポリアン・コールドウェル時代のCBには完全に不満なのだなという事が、よおく分かった。

 で、来季のドラフトないしFAで、シャットダウン・コーナー、あるいは、そこまでいかなくとも、がっつりマンカバーが出来て、タックルもエゲつないタイプを獲得するんだろうなあと思っていたら、まさかの今獲得。んも〜、グリグソンたら早いんだから〜。

 パガーノ就任、フリーナー指名の時点で、事を急いでいるのは分かっていたが、このデービス獲得で、グリグソン本気です。コイツ、今年に賭けてます。
 実際、グリグソン就任以来、マニング解雇なども含めて一連の人事にまったく澱みは無い。矛盾やムダも無い。私は今、「HCの仕事」というコラムでHCの重要な仕事に「フットボール・フィロソフィー」があり、その人事面は現在では主にGMが担当していると説いているが、そういった意味では、グリグソンはその自身の「フットボール・フィロソフィー」に徹した仕事を着々と遂行しているといってよい。GMとしては満点だろう。完全な仕事である。

 ただまあ、そのあまりに見事な仕事っぷりに少々不安を覚えなくも無い。思わぬ反動を喰らう可能性もあると思う。拙速という結果に終わる可能性もある。

 私はポリアンが解雇された時、2,3年かけて新しくチーム作りをすれば良いと思っていし、そのような事も書いた。10年間の勝ち越しという大きな貯金もある訳だし、2,3年負ける余裕もあるだろう。しかし、アーセイはともかく、グリグソンはそうは思っていなかったようである。コイツ、今年に勝負かけてます。この辺は、若さ故ともいえるし、フィラデルフィア育ち故とも謂えるだろう。足元をすくわれぬよう、私は願うだけである。

 でも、ボンタ・デービス獲得自体に関しては、何の不満も無い。大歓迎である。完全にニーズを満たしているし、ドラフト2位+何やらで済んだし。来年の2巡で25才のデービスを獲得できるんなら、それこそ28才のウィーデンを獲得したブラウンズよりお得だろう。
 私は、このトレードの噂が出た時、フリーニーを駒に使うんかなあと思っていたが、そのフリーニー様を使わんで済んだし。コルツ的には万々歳のトレードだと思う。勿論、現時点ではだけど。

 一方、マイアミ・サイドから見れば、数少ないスターを2巡とはいえ、放出しちゃっていいんかなあとも思う。まあ、この辺は、長期再建期にあるチームらしい悪循環と云えば悪循環だろうけど。まあ、マイアミのチーム事情はよー分からんが。

 まあ、マイアミのチーム事情はともかく、とにかくこれで今季のコルツはかなり戦える体制が整ったと思う。

 ディフェンスは、このボンタの加入により、フロント7が機能すれば、かなり力を発揮すると思う。オフェンスは、あとはRBに、面白いのが加入、ないし出現、例えばメウレーデ・ムーアが首領パッチ並みに弾ければ面白い事になるのでは無いだろうか。

 上の記事と合わせて、今回の記事では、いろいろな条件文を書いてしまったが、それらの条件を全てとまではいかなくとも、多くクリアすれば、それこそプレイオフも夢では無いと思う。面白くなってきたでえ〜。コルツを最下位予想していた連中、覚悟しいぃ。

                                                   2012/8/28(火)

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